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1997年、私は第二電電株式会社(現KDDI株式会社)に入社し、インターネットを活用した電話サービスの開発に携わりました。
その後2001年に起業し、インターネット業界の発展とともに様々なサービスや企業を見てきました。
そして現在、WEB業界は大きな転換期を迎えています。
AIの登場です。
文章作成。
画像生成。
デザイン。
プログラム開発。
以前は専門的な知識や経験が必要だった作業が、誰でも短時間で実行できるようになりました。
私自身も日々AIを活用しています。
その便利さや可能性には驚かされるばかりです。
しかし、その一方で強く感じていることがあります。
それは、
AI時代だからこそ観察力の価値が上がる
ということです。
今やAIに質問をすれば、立派な文章を書いてくれます。
デザイン案も作ってくれます。
分析や改善案も提案してくれます。
少し前であれば専門家に依頼していたような仕事も、短時間で実現できるようになりました。
だからこそ、一度立ち止まって考えてみたいのです。
その答えは本当に自分が求めていたものでしょうか。
その提案は本当に自社に合っているのでしょうか。
その文章に自分らしさは残っているのでしょうか。
AIが優秀になればなるほど、人間側の問いも重要になります。
私はAIの答えをそのまま受け入れることには慎重であるべきだと考えています。
なぜなら、AIが生成する情報も、これまで人類が積み重ねてきた知識や経験の上に成り立っているからです。
経験者の実体験。
現場で培われたノウハウ。
数え切れない失敗と成功。
AIはそれらを整理し、瞬時に回答を生成してくれます。
しかし、その答えが今の自分や自社に適しているかどうかは別の話です。
だからこそ、
AIの答え。
経験者の知見。
そして現実に起きていること。
そのすべてを観察しながら見極めることが必要なのではないでしょうか。
私はこれまでEC運営や商品販売の現場に長く携わってきました。
売上が伸びる企業と伸び悩む企業。
支持される商品とそうでない商品。
その違いを見てきました。
そこで感じるのは、良い答えは良い観察から生まれるということです。
お客様はなぜ購入したのか。
なぜ継続して購入してくれるのか。
なぜ離脱してしまったのか。
どのような場面で商品が使われているのか。
こうした事実を観察することで、初めて意味のある問いが生まれます。
そして、その問いがあるからこそAIも力を発揮します。
問いが曖昧なままでは、どれだけ優秀なAIを使っても本質的な答えにはたどり着けません。
観察の対象は仕事だけではありません。
日々の生活にも多くのヒントがあります。
人はどのような時に商品を必要とするのか。
どのような出来事の後に購入を決断するのか。
どのような体験に価値を感じるのか。
人間の行動には時間の流れがあります。
前後関係があります。
背景があります。
数字やデータだけでは見えないものがあります。
私はそうした日常の観察が、商品開発や販売、サービス改善の原点だと思っています。
最近、私自身が意識していることがあります。
それは、
AIに聞くことより、AIに入れる情報を作ることです。
経験。
知識。
考え方。
現場で感じた違和感。
お客様との対話。
日々の観察から得た気付き。
そうした情報を自分自身の中に蓄積し、言葉として整理する。
その積み重ねがあるからこそ、AIとの対話も深くなります。
AIはこれからも進化していくでしょう。
しかし私は、
商品を観察する力。
顧客を観察する力。
現場を観察する力。
そして日常を観察する力。
こうした観察力の価値は、これからますます高まっていくと考えています。
AI時代だからこそ、人間には観察することが求められているのかもしれません。